上京したはいいけど、地元が恋しくて帰りたい。
それでも私は我慢して東京生活を続けた。
東京は水に合わないなと感じたまま大学を卒業して就職して9年が過ぎた。
それでも時々、このまま上京したままでいいのかと常に迷っている。
会社に転勤願いを地元地方に出せば、このモヤモヤは解消されるのだろうが、それは同時に社内の出世コースから大きく外れることを意味する。
時々「それでもいいじゃないか」という、もうひとりの自分が「東京で頑張ろうとする自分」を誘う。
上京後、地元に帰る人生のタイミング
上京したことに後悔をしているわけではないのだが地元で暮らしたいという気持ちが、上京時より今日まで気持ちのどこかに絶えずありました。
それでも東京を離れないでいたのは、上京時の若かりし頃の野心や向上心が、自分の東京を離れたいという気持ちを抑え込んできた。
だが30歳を超えて、ある程度は自分の能力と可能性を夢ではなく、その限界を現実問題と受け入れてもきている。
そうややって人は妥協しながら、現実を受け入れて加齢していくものなのかもしれない。
これまでに3度あった地元に帰るタイミング
(1)リターン就職
(2)同級生の地元の結婚式
(3)親の病気
最初は大学卒業の時だ。
私は在京のメーカーに就職したのだが、同じ業種の企業は地元にもある。
地元でそこの会社で正規雇用されれば万々歳で、特に東京の大学から地元民枠で入社となれば、ある程度の出世も期待できるのではないかと甘美な希望もあった。
現実に、同窓生でリターン就職をして、そこそこ出世街道を歩んでいるという話しを聞くと、何ともいえない複雑な感情に見舞われる。
2度目の地元に帰るタイミングは、地元の高校時代の同級生の結婚式だった。
田舎の結婚は早く、まだ私が社会人1年目の時だった。
その結婚式の披露宴、そして2次会で同級生達と久しぶりに弾けることができた。
その途端に、明日もここで弾けたいと思った。
やっぱり地元は落ち着くと心が揺れた時だった。
入社したばかりだったので精神的に不安定で、楽なほうに逃げたかっただけかもしれない。
そして3度目は一昨年に親が倒れた時だ。
幸いに命に別状もなく後遺症もなく退院できたが、そんな時に私が実家にいたほうがいいのではないか?という気持ちが現れた。
上京して以来、日頃から思っている地元に帰りたいという気持ちも重なり、追い打ちをかけるように「嫌な東京生活を無理に送ることはない」という気持ちに支配された。
それでも私は、東京を離れないでいる。
東京で不完全燃焼のまま地元に帰れないという想い
上京以来、水が合わないと感じている東京生活だが、まだ何も成し遂げていないという気持ちがある。
ただ大学を卒業して、その流れで在京企業に就職しただけだ。
かといって何かを成し遂げたいものがあるわけでもない。
半ば意地にも似た、上京後の東京生活にケジメをつけることができず、幕を下ろすことができないでいることは分かっている。
この先、何年もこの息苦しさの中で会社勤めをしていくと思うと、ますます息が詰まるが中途半端で終わらせたくないという気持ちが、最近では年々増していることを感じる。
それは昔のように、出世したい、一旗あげようといった野心的なものではなく、どうこの上京生活を自分なりに納得できる理由で終わらせるかということ。
最近ではそんなようなことを考えている、人によっては「やっぱり無理だった」と見る人もいるだろう。
それでいい。
自分自身が納得して東京を離れる決意ができた時が東京から帰るタイミングです
上京して地元に帰るということで、他人がどう思おうと、どのように思われようとも、そういう他人の目や評価を気にする年齢は超えれている。
それよりも自分自身が納得する形でこの長い東京生活を終わらせて、地元に引き上げることができるかが焦点となる。
それは年齢を重ね、これからも年齢を重ねていく上で受け入れていかなくてはならない妥協とどう折り合えるかだと思う。
東京で成功したいという野心はもうない。
後は、東京生活を楽しかったものと言えるように、自分自身の中で整理をつけていくことだと思っている。
上京してきたからの時間も、この先に地元に帰って過ごす時間も同じ私の人生なのだから。
もしこれを読んで、同じような気持ち抱き、上京生活を諦めて地元に帰ろうかと悩んでいる人に同じ立場として言えることは、上京したことを後悔しないように自分に区切りをつけられる状態になった時が、上京後の地元に帰るタイミングだとお伝えしたい。
同時にそれが人生の区切りとしてのタイミングにすることができれば、私のように東京が水に合わず嫌で仕方なかった者でも後悔することなく地元に帰れると思うからだ。
上京後、地元に帰る人生のタイミング(まとめ)
上京して失敗したと感じたならば、そこで失意のまま地元に戻らないことが大事だと思います。
その失意はその後の人生においても引きづると思うので、東京を離れる際には自分が心から納得できる、人生の区切りとなるような上京生活の離れ方をしたほうが良いと思います。
上京生活も地元での暮らしも同じ人生の1ページ、そしてそのページはいつまでも続き、どこに住んでいるかは大きな問題ではないと心から思える時が、上京後に地元に帰る人生のタイミングだと思います。